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2006年11月08日Wed [15:01] 世界の話題  

フセイン死刑判決に

はっきり言えば、まるで見当違いな話です。本来が宗教世界でもあるイラクの、その宗派争いに異教徒が口出しするべき問題でもないのですから。イラクの国民100万人が死亡?、それは中東の国々では当たり前のように繰り返されてきた、彼らの負の遺産でしかないのです。そこでは宗教的多数派の、または政権権力側(少数派の場合もある)が、今までも数々の悲劇を齎した事は歴史的な事実なのです。それを異教徒が、または日本人のような無神論民族がとやかく己の価値観で物申す事柄でも有りますまい。

宗教が政治の上にある体制は、ヨーロッパでは中世の時代になります。日本では天皇でも持ち出してこない限り、まるで経験の無い世界とも言えるでしょう。そして無理やり持ち出そうにも、自らを象徴とした天皇には届かないのです。せいぜいが、白塗り顔のお公家止まりになります。または、その象徴を利用していた時の権力者ですか。それ程までに、大らかな精神風土に日本は有ったのですから。

[フセイン判決]「宗派間抗争をあおりはしないか」
(2006年11月7日1時30分 読売新聞)

イラク再建に肯定的な意味合いがあるかといえば、首をひねらざるを得ない判決である。

イラク高等法廷が、元大統領サダム・フセインに、死刑判決を下した。元大統領は1982年、自らに対する暗殺未遂事件の報復のため、イラク中部の村で、イスラム教シーア派住民148人を殺害したとして、人道に対する罪などに問われていた。

四半世紀に及んだフセイン統治の間、イラクでは、超法規的な処刑などで国民100万人が死亡したとも言われる。恐怖政治を敷いた独裁者に対する初の断罪である。

とりわけ、苛烈(かれつ)な弾圧の対象となったシーア派やクルド族住民の間から裁判不要論の声も出る中、曲がりなりにも司法によって裁く体裁は守られた。フセイン時代、司法が機能していなかったことからすれば、一定の意味はあるだろう。


戦後、更に人道的な磨きがかかった日本です。このシーア派やクルド族が求めている裁判不要論、つまり公開処刑は明治の時代に廃れた日本の仇討ち同様、容認できないでしょう。しかしイラクは法治国家では無くて宗教国家、法律よりも宗教が上に来る世界です。さほど司法に意味は無く、教えの中に解決を求める人のほうが多いと思われます。

とは言え苛烈な弾圧対象だったシーア派やクルド族住民に、元大統領サダム・フセインの命運を渡せない事が米軍の矛盾(苦難)の始まりです。さっさと引き渡していれば、その後の展開も大きく変わってきた筈なのです。まあこうなれば、とことん付き合う(あと2年は)覚悟が必要でしょうね。アメリカも同じ大統領である限り、妙にブレた対応は拙いのです。簡単にブッシュ政権のイラク攻撃を非難する人も多いのですが、だからと言って米軍撤退後のイラクを考えているとも感じられません。

もし米軍が今のイラクから撤退したら、国連の名を借りた大国同士の草刈場になる筈です。石油利権に武器市場、あらゆる利権を求めてエセ援助が殺到するでしょう。まだまだ宗教派閥や民族で分かれる分裂国家ですから、大国間の匙加減一つで骨の髄まで抜かれるかも分かりません。そんな不安定な国に手を出した罰として、アメリカにはイラクを安定させる義務があると思うのは不自然でしょうか。

しかし、裁判の内実を垣間見れば、司法の独立を脅かす動きや法手続きの不備など、多くの問題点をはらんだ公判だった。選挙を通じて現在は体制側だが、かつての被抑圧者による「報復判決」というのが、裁判の実態ではなかったか。

泥沼化しているスンニ、シーア両派の宗派間抗争の火に油を注ぐ結果になりはしないか、と懸念される。暴力の対象はすでに、政治組織とは無関係な民間人にも広がっており、先月だけで1200人以上が犠牲になっている。

マリキ政権は、こうした現実を直視する必要がある。1審段階では、政府幹部が死刑適用を呼びかけるなど露骨な政治介入もまかり通った。死刑判決だったため、規定により、自動的に上訴審が開かれるが、政府が“復讐(ふくしゅう)劇”をあおるようなことは慎まなければなるまい。


民意が無い以上、復讐的性格は免れないでしょうが、そこをどう私達先進国の感覚にも合わせられるかが問題ですね。イスラムと、イスラムが嫌うアメリカの、その接点を見出す試みです。かつてキリスト教がそうで有ったように、イスラム教も世界スタンダード宗教として、さらに脱皮するには変革を余儀なくされていると思うのは間違いでしょうか。

気がかりなのは、判決が早々と確定した場合のことである。刑が確定すれば、大統領評議会の承認を経て30日以内に刑が執行されることになる。

フセインの罪状は、イラン・イラク戦争中のクルド人虐殺のほか、化学兵器使用や90年のクウェート侵攻・併合など多岐にわたる。早期処刑が行われた場合、これら歴史の真相が十分に究明されないままになる恐れがある。

厳しい情勢の中で、かすかな希望もある。アラブ連盟などの後押しを受け、マリキ政権は、スンニ派武装組織を含む各派を糾合した「融和会議」の準備を進めている。急がば回れ、である。国民統合の方向を地道に探り、国際テロ勢力の孤立化を進めることが肝心だ。

国際社会も、息の長いイラク支援が必要であることを再確認したい。無論、見放すような動きは禁物である。


歴史の真相究明は後世の学者に任せ、まずは人道的に速やかな幕引きをする事です。



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